医療制度の信頼性向上と無駄の削減!(医療保険制度改革案)
国民健康保険と被用者保険を一本化して負担の公平化を図り、保健・福祉行政の充実により、医療よりも予防重視に転換させるべきである。平均寿命が長くなっても、健康で充実した老後を送れなければ、本人や周りの人々にとって、長寿が苦痛ともなりかねない。
充実した老後の生活を通して、健康を維持し病気にならないための施策、寝たきり老人を作らないための具体的な施策が必要である。ちょっとした体の変調や予兆から、重大な病気への進行をくい止めるための総合診療の役割が非常に大きなものとなる。そのためには、身近に信頼性の高い総合診療医がいることは非常に心強い。殆どの病気は初期段階で適切な処置を施せば、大事に至る事もない。それらを適切に判断するのが総合診療医であり、それを専門とするホームドクターの適切な配置こそ、結果的に医療保険や介護保険の大幅な負担軽減に繋がる。
ホームドクターが重要な役割を担うためには、検査データや病院での診療情報、施療、施薬データの共有が欠かせない。被保険者のリアルタイムのデータを知らなければ、適切な判断を下すこともできない。初期診療時の判断に加え、検査結果や施療結果、施薬結果から、新たな判断材料が加わり総合判断の信頼度が高まる。その繰り返しで、総合診療判断がより一層信頼できるものとなることは明らかである。現在の制度では、被保険者は自分に合う医師を探して梯子を続け、見当外れの治療をされたり、かえって病気を進行させてしまう危険すらある。
また近年、不確実性社会の到来と共に、その影の部分を映し出したとも言える病、うつ病などの患者が増え続けている。これらの患者には決め手となる治療法が確立されておらず、患者に対する総合的なケアもせずに、安易に薬物による安定を処方する医者も多く、薬物依存の結果、自殺などに追い込まれるケースも目立っている。
医療システムは、このように多様化した社会の中で発生する様々な病理に適切に対応していかなければならない。利用者にとっては、もっと身近にあってもっと気軽に相談でき信頼に足るものであって欲しいものだ。
それには利用者の利便性と信頼性の向上、それに医療行為の透明性とコスト低減が必須である。まず、医療を四つのシステムに分離し、その上で、四つのシステムがデータを共有し相互にチェックし合うものとしなければならない。また、サービスの質やコスト面では、専門病院などの施療及び施術部門においては、医療法人制度を見直し一般法人の医療業務への参入を自由化し、競争原理を取り入れることも必要であろう。
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- ホームドクターによる医療相談及び総合診療
- 認定検査機関による検査
- 専門病院などの施療及び施術および救急医療
- 調剤薬局による施薬
少子高齢化に対応した医療システムを構築し、国民全てが健康で充実した日常が送れるようにするためには、健康保険の負担の公平化と医療システムの信頼性の向上、及び医療コストの軽減、更に保健行政や予防医療の充実が必要になる。
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- 健康保険、国民健康保険の一本化により、負担を公平化する。
- 保険料の算定方式を統一する。
- 果実を伴わず、かつ換金不能資産についての資産割負担を廃止する。
- 健康管理が良好で施療・施薬などを受けずに、一定期間以上健康を維持できている人には保険料負担の軽減を適用する。
- 被保険者固有の共通番号カードを創設し患者の同意に基づき運用する。
- 医療検査や診療情報、施療、施薬状況を時系列で把握できる資料を患者毎にデータベース化する。
- 検査データの共有により無駄な診療時検査を削減する。
- ホームドクター、専門病院の担当医は患者同意のもとにデータベースへのアクセス権を持つ。
- 担当調剤士は、患者同意のもとに施薬データを共有し、施薬の適正化チェックを行う。
- 全ての医師に産科・小児科医療技術の習得と診療を義務化する。
- 救急医療の充実。
- 保健、福祉行政の充実により、医療よりも予防重視に転換し、寝たきり老人を作らないようにする。
- 老人世帯への定期的な保健員巡回や地域コミュニティによる見回り協力など
- 二十四時間ケアの充実
- コミュニティ作りなどで社会参加を促す。
- スポーツクラブなどにリハビリ専門の理学療法士などを配置
- 健康保険、国民健康保険の一本化により、負担を公平化する。
《ホームドクター制の導入》
全ての開業医を総合診療専門医のホームドクターとし、小児科および産科診療資格取得を義務付ける。医療相談及び生活指導、検査の要否や指定検査機関の紹介などを担当する他、検査結果と患者の症状に関連性が認められない場合は症状に合わせた専門病院を紹介するなど、専門病院の選択や医療方針等のアドバイスを行う。また、専門病院の施療又は施術後の定期診療やその際の薬剤処方についてもホームドクターが行う。
ホームドクターは、診療判断の正確性を担保するために数名のチーム制とし、総合診療における症例などの新情報を入手し、判断の精度を高めるため、全員に定期的な講習受講や技術習得訓練を義務付ける。
また、現代病とも言えるうつなどの精神的な疾患にも対応できるよう、精神科医や心理カウンセラーなどもチームに加える必要がある。
更に、ホームドクターに所属する登録助産師制を導入し、助産師と連携して妊婦が安心してお産できる環境を提供する。通常分娩の場合、日帰り出産を原則とし、助産師による7日間の巡回産後ケアを行なう。
《検査機関の独立》
検査を専門に行う独立した認定検査機関を適正配置して、病院ごとに行われている初診時の無駄な検査を排除するものである。診療所および病院の医師数及び規模により、検査の診療点数加算に制限を設け、個人開業医などの過剰設備投資を抑制することで、医療費全体に占める膨大な設備投資の軽減につながり、医師の協業化などにより充実した総合医療体制の構築を促す効果も期待できる。
《病院の役割を専門病院および救急医療に特化》
一般外来を切り離し、病院の役割を専門病院としての施療及び施術および救急医療に特化する。病院はホームドクターと認定検査機関の初期診療及び検査データを受け診察する。病院における検査は治療や施術方針決定のためのものに重点を置き、検査データをデータバンクに登録しなければ医療点数を加算されないようにする。また、症状・検査値に応じた加療基準と、医学会による定期的見直し制度を設け、医療水準の適正化と過小・過重医療を防止する。
その他に、情報公開、日帰り手術可能施設の拡充、更には、救急医療の充実策として、救急隊への医師の加入を義務化、ドクターヘリの充実等、対応の迅速化及び受け入れ体制側との連携を充実させる。
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- 病院の専門化による信頼性の向上と経費削減効果
- 施療実績の積み上げによる信頼性の向上
- 設備投資の集中化による無駄削除で、より信頼性の高い新規設備への更新を可能にする
- 施療実績により専門病院を指定し、その適正配置を図る
- 症状・症例による定額診療請負制の導入
- 施療終了時に患者及びホームドクターの同意を義務付ける
- 病院の専門化による信頼性の向上と経費削減効果
《施薬は調剤薬局に一本化する》
ホームドクターや病院の処方箋に基づき、施薬は例外を設けず調剤薬局に一本化する。調剤薬局は、施薬にあたり複数の医療機関による重複施薬や複合施薬による薬害等を防止する。また、故意や不作為の過剰施薬による薬物依存を防止する。
《医療制度への信頼回復》
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- 症状・検査値に応じた加療基準の創設と医学会による定期的見直し制度を設置し、医療水準の適正化と過小過重医療を防止する。
- 患者本人の申請による医療情報の開示義務とセカンドオピニオン制度の確立
- 日帰り手術可能施設の拡充
- 救急医療の充実:救急隊への医療専門員の加入、対応の迅速化及び受入れ体制の充実
- 薬事、薬価審査を民営化すると同時に情報公開する。
- 医師の倫理、責任を明確にするため、免許制度を改正し、厳格な懲罰制度を設ける。
- 医師や病院の医療経歴や医療実績について情報開示(第3者機関によるデータバンクを創設)し、患者が安心して医療を受けられるようにする。
- 医療において、臓器移植は最後の手段であり、移植に頼らない医療技術の開発を進めることが最重要課題である。病院や医師、推進団体、報道機関等は、臓器移植に当たり臓器提供者の尊厳を重視すると共に家族への配慮を欠いてはならない。
- 医療の新しい担い手を生み出す大学や専門学校は、新制度に合わせ全く新しいカリキュラムとし、大学病院などの運営についても、各専門病院と同様の運営を図り、研修などについては他の病院と連携し専門性を補完する事が必要である。
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