公平性と民主主義を担保するシステム(独立第三者機関)
間接民主制の政治システムの中で、国会議員選挙において投票権を行使するだけでは、民主主義が十分に機能しない。行財政改革の中で度々課題に挙げられるのが議員定数削減である。しかし、それに異を唱える政治家や知識人は、国民の意思を反映するために国会議員が存在し、定数を減らしては国民の意思が十分に反映されなくなると言う。
それは明らかに誤りである。国会議員には十分な見識もなく国民の意見を汲み上げる努力もしてはいない。その上、一議員が国会に問題を提起してみても、適当にはぐらかされるだけである。与党議員であっても、党内実力者でなければ取り合って貰えることはない。
国会議員は、民主主義を担保するにはあまりにも無力である。国政調査権を与えられていても、多数派に押し切られてしまえばそれを行使することもできない。仮に国政調査権が行使され、その調査結果が示されても、国会で問題が取り上げられ証人喚問や参考人招致などの手続きを経なければ、ただのガス抜きで終わってしまうことになる。民主主義を担保するには、政治システムの中に専用の調査機関を設置し、調査・報告と合わせて違法性が認められれば訴追をも可能にするようなシステムが必要である。それが以下の独立第三者機関である。
警察、検察、裁判所、選挙及び公聴会の公平な運営を担保する独立第三者機関と、行政執行、法制度の不備や矛盾、財政、金融機関業務、公平・公正な報道や企業活動、官民の適正雇用、環境への悪影響、大規模事故など国民生活に及ぶ弊害や危険性を国民が直接監視し、法適合性のチェックと改善要求や訴追等ができる独立第三者機関を設置する。
独立第三者機関
国民に対して直接的な法執行を行う警察及び検察、民主的かつ公平な選挙及び公聴会の運営を行う選挙管理、裁判所の運営を監督・管理する独立第三者機関である国家公安委員会、検察委員会、選挙等管理委員会、及び司法委員会を設置し、政府の指揮命令など国家権力の及ばない公平な運営を担保する。
-
- 国家公安、検察および選挙等運営員の国家資格を創設する。
- 国家公安委員会、検察委員会および選挙等管理委員会は、各道州において、国家公安、検察および選挙等運営員資格者名簿の中から民主的な選出方法によって選ばれ、首相によって任命された委員により構成する。委員の任期は四年とし再任できない。
- 委員会は、行政、立法、司法のいずれの機関にも属さず、委員は国内法に則り、国民を代表してしてその任にあたる。
- 運営委員会は指揮権及び人事権を有し、機関の構成員の資質の欠如や不正行為の証を得た場合、分限処分を行うことができる。指揮権及び人事権の行使を報告書にまとめ一般に公開しなければならない。(年一回)
- 治安維持及び警察機構を統轄する独立第3者機関として「国家公安委員会」を設置する。
- 警察庁長官及び各部局の長の人事は国家公安委員会が決定する。
- 犯罪の予防に重点を置き、民主的な運営を図る。
- 検察機構を統轄する独立第3者機関として「検察委員会」を設置する。
- 検察委員は裁判官、検察官又は弁護士を兼ねることはできない。
- 検察官人事は検察委員会が決定する。
- 検察は、自発的な捜査権限を持たず、警察の送検又は国民監視委員会の告発を以て捜査権を付与される。
- 国民監視委員会が国民の意を受け告発権を行使することができるため、検察審査会を廃止する。
- 取り調べの可視化と検事の取り組み実績を公開
- 司法委員会
- 国政選挙及び法律に定める公聴会等の運営を所管する「選挙等管理委員会」を設置する。
国民が行政の内容を知り、適正に執行されているかどうか、又は金融機関や証券取引上の不正行為、企業活動や自由競争を阻害する行為、労働者雇用上の不当行為、環境へ悪影響を及ぼす恐れのある行為や事故など国民生活に及ぶ恐れのある危険性などについて、国民が直接監視し、法適合性のチェックと改善命令や訴追等ができる独立第三者機関を設置する。
-
- 国民監視員の国家資格を創設する。
- 国民監視委員会は、各道州において国民監視員資格者名簿の中から民主的な選出方法によって選ばれ、首相によって任命された委員により構成する。委員の任期は四年とし再任できない。
- 国民監視委員会は、行政、立法、司法のいずれの機関にも属さず、委員は国内法に則り、国民を代表してしてその任にあたる。
- 国民監視委員会は、業務内容に応じ一定数以上補佐職員及び事務局を持つことができ、その業務内容全てについての報告書を首相に提出すると同時に一般に公開する。また、以下における調査報告書、意見書、及び改善命令書、並び司法判断改善請求とそれに対応した最高裁判所の判断等、業務上作成または交付を受けた書類は全て一般に公開しなければならない。(年一回)
- 国民監視委員会は、当事者たる国民からの報告や独自の調査により疑義が生じた場合は、強制捜査権を行使し、捜査により不正行為の証を得たときは、直ちに首相及び国会に調査報告及び意見書を提出した上で、関係者及び関係機関に対し直接に改善命令を出すことができる。それでも改善がなければ、改善命令内容を公示した上で関係者及び関係機関を告発することができる。
- 国民監視委員会は、委員会の担当分野における当事者たる国民からの請願や世論の動向、社会的環境の変遷などから、従来の司法判断が憲法に謳う民主主義原則に照らし、必ずしも公平・公正を担保するものではないと判断した場合、司法判断改善請求内容を公示した上、最高裁判所に対し司法判断の改善を求める上申書を提出することができる。最高裁判所は上申書の提出を受けた日から180日以内に、最高裁判所大法廷において出席判事全員の意見書を添え、その判断を示さなければならない。
- 政策の合理性や公平性の評価、公共事業には評価基準(Program review)を設け、個別の事業に対して、公益性、合理性・必然性・効率性、環境への適合性及び事業の優先順位、役割分担主体としての是非(国、地方政府、民間)を評価する「政策監視委員会」を設置する。
- 法律及び政令など法体系の矛盾に関する国民監視機関として「法制監視委員会」を設置する。法体系の矛盾により不当な法的処分が行われた場合は、国にその救済を命令することができる。また、条約の内容審査権を有し、その審査は国際協調主義の観点から、締結前の事前審査制(期間:公示30日、審査60日)を採用する。
- 国の歳出のあり方に関する国民監視機関として「会計監視委員会」を設置する。
- 正当な国家安全保障上の利益を最大に保護する目的でなされる国の情報規制(特定秘密の指定等)のあり方に関する国民監視機関として「情報監視委員会」を設置し、国立公文書館を同委員会の管理下におく。公文書は全て文書化し国立公文書館に保管することを原則とし、行政機関等の判断で廃棄されることのないようにする。行政機関の違法行為や恣意的な秘密指定、廃棄処分を防止するため、内部告発受容機関としての権限を付与する。
- 金融機関の健全経営基準を定め、金融取引の安全性に関する国民監視機関として「金融監視委員会」を設置する。
- 民主主義の根幹である国民への有用情報提供や国民の厳粛な信託が国政に反映されているかなどの周知を担う複数のNPO公共報道専門チャンネルへの放送免許や電波の割り当てなどの実務、並びに民間団体や企業等における自由競争を阻害する私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法などに関する国民監視機関として「公平・公正監視委員会」を設置する。
- 公務員の給与・待遇の他、民間団体や企業等における不当解雇や超過勤務・自爆営業の強要、給与・残業代の未払い、セクハラ・パワハラ被害などの労働問題などに関する国民監視機関として「雇用監視委員会」を設置する。
- 国民生活や環境における、安全・安心に対する脅威などに関する国民監視監督機関として「環境・安全監視委員会」を設置する。公害、運輸安全及び原子力関連の規制・指導の他、公害による患者の認定・救済等も所管する。
Tweet
<三権分立の確立と国民の意思反映>
<行政権の独立と民主主義を担保するシステムの導入>
<国会の機能強化(衆参両院の役割の明確化と国民投票請求権)>
<司法制度改革(司法委員会:国民による監督・管理システムの導入)>
<独立第三者機関(民主主義を担保するシステム)>
<国民投票とその効果>
Page Top ▲