《政治改革》:政治システムの大幅見直しが必要
バブル経済の崩壊からこの方、『失われた20年』、誰がリーダーシップをとっても日本の政治が前に進んで来なかった。従来のように、護送船団方式で官僚に任せておけば、全てが順調にいくような世界ではなくなり、国内はもとより世界中に目配り気配りをしながら、協調の中に独創的な政策を盛り込み、挑戦的な国家運営が求められる時代となった。
国家運営は、政治主導で官僚を使いこなし、国民の負託に応え、『内外の安全保障政策、国土保全および基盤整備、産業経済の健全化、国民の権利の保障』『生活環境整備、治安維持、義務教育、社会福祉』これらあらゆる政策課題に国と地方の役割分担を考慮しながら果敢に取り組み、国際社会の中でしっかりした地位を築いていかなければならない。
そのためには大幅な『政治制度改革』が必要である。放置すれば日本の衰退を招く恐れのある従来型の「政治家や官僚への白紙委任政治」をこのまま続けて行くわけにはいかない。それは、偏に政治家や官僚が悪いのではなく、それを許してきた私たち国民の責任である。改革を恐れて何もしなければ、日本は衰退の一途を辿るのみである。国の存亡に関わる問題が山積する現在、政局に明け暮れるような政治システムは既に破綻している。
先ずは、国民の直接的な支持を得、官僚を使いこなし、定められた任期中、国民との約束を強力に推し進めることのできる行政権限を構築することである。
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- 無能な同僚議員に頼るのではなく『有能なブレーン』を揃え、
- 手足となる『官僚の人事権』を掌握することが欠かせない。
それを可能とするための『憲法改正』が必要となる。
首相公選制の導入
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- 従来の議員内閣制で選出される首相は、直接国民の信任を受けていないため、国民の負託を得ているという認識が全くない。
- 首相は、政治的な失敗や国民との約束違反に対し責任をとらない。
- 首相は、内閣を組織しても自らの政治信念で国政を切り盛りすることもなく、官僚依存型の政治に終始する。また、重要課題に対する諮問委員会を作り、答申を受けても、その内容が官僚の既定方針と違えば、採用されることはなく、歴代首相の殆どがその答申を生かせずに終わっている。逆を言えば、国民は官僚に対し『白紙委任』を与えているようなものである。
- 首相は、ブレーンを持たず、外部に人材を求める手立てもない。
- 官僚から提示される資料がなければ、全く状況判断ができない。
- 諮問委員会を作るにも、官僚の提案する候補者リストを追認するしかない。
- 公正中立性や専門性が必要とされる国会同意人事も、官僚が作成した候補者リストをそのまま国会に提出し、その適否判断を求めるだけである。
- 首相は、閣僚を任命しても同僚議員であり、指揮命令が機能しない。
- 内閣は官僚組織の人事権を持たないため、閣僚と官僚が対峙する構造となり、閣僚は情報を掌握している官僚に歯が立たず、逆に官僚の手足となって官僚主導の政治となってしまっている。
以上の問題を解決するためには、国民が直接首相を選び、立法府から独立した強い行政の長を設ける必要がある。
さらに、国民は首相の行う行政をつぶさに点検し、誤りや行き過ぎを糺す仕組みも持たなければならない。
従って、独立した行政権を持つ『首相の公選制』と、『情報公開制度』、国民による直接的な『行政監視制度』をセットにした新制度を確立しなければならない。
国会改革と選挙制度の改革
『国会の機能強化』も図らなければならない。政策や予算、法整備など政府と対等に渡り合えるだけの知性と合理性の裏付けとして第三者支援機関を付属として持ち、具体的な政策で、政府に対抗出来るようにする必要がある。
国会改革では、定数の大幅削減と両院の役割分担を明確にし、権威ある立法府として、真に民主主義を実践する機関に改めることである。
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- 《衆議院》
- 民主主義の象徴であり、全ての国民が平等に政治に参加し、国民の総意を国政に反映し、より良い社会を目指すための国民の代表機関と位置付ける。選挙は、一票の格差解消がし易い道州単位の中選挙区内で政党得票数ができるだけ議席数に反映される制度とする。更に、選挙民の政治参加意欲を増大させる仕組みも効果的に盛り込む。定数を大幅に削減、二百五十名とする。
- 《参議院》
- 参議院は、衆議院とは全く別なシステムと考え、良識の府とし、国民の意思反映と多数決の暴走を抑止するチェック機能を持つ機関と位置付ける。参議院議員は、私たちの生活基盤である産業界と教育や文化、経済、技術などの専門家集団並びに地方(道・州)からの代表を構成員として、政党への所属を禁止する。定数を大幅に削減、百名とする。
- 《付属第三者機関、国会政策調整局の設置
- 素人集団である国会に、専門的な調査、分析、考察を提供し、専門家集団を擁した政府に対抗出来るものとするために、委員会の依頼により、政府の政策や議員提案による新政策の経済効果の予測やコストシミュレーション等を行い、国会を支援する