生活保護制度の問題
生活保護法では、次の4原則に則り制度が決められ、生活、住宅、教育、医療、介護、出産、生業、葬祭の八種類の扶助のうち、該当する項目の扶助全てが合算され現金で支給されている。生活扶助は1類の年齢別の定額を全家族分が積み上げられ、その他に2類で家族数による一定額が加算される。住宅扶助は地域や世帯人数で額が決まっており、賃貸住宅に住んでいる場合、家賃相当額を認定する。
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- 無差別平等の原則(生活保護法第2条)
過去の如何に拘わらず、現在の状況で対象の可否を判断する。 - 補足性の原則(生活保護法第4条)
売れもせず収益もない不動産でも、保有資産があると対象とはならない。 - 申請保護の原則(生活保護法第7条)
生活に困っていても申請手続きをしなければ保護の対象とはならない。 - 世帯単位の原則(生活保護法第10条)
家族の扶養能力の有無に拘わらず、被扶養者全員の扶助費を受給できる。
- 無差別平等の原則(生活保護法第2条)
生活保護制度の問題は、老齢年金受給額や最低賃金よりも結果的に生活保護の受給額の方が多くなることに起因する。
★支給額の計算例(平成17年度の基準[4]) 東京都特別区内在住(1級地の1)★
●単身世帯 31歳 ⇒ 合計 137,400円(月額)
●4人世帯 41歳(障害者1級、障害年金無)、38歳、12歳、8歳、妊娠中(7ヶ月)
⇒合計 344,990円(月額)
※小中学校の教材費、給食費、交通費等は実費支給。
<ウィキペディア、生活保護より>
生活保護で支給される扶助費は、細目に別れた扶助費を合算すると、単身者でも老齢基礎年金の受給額をはるかに上回り、家族数が多いととんでもない額になる。
受給額は真面目に働いている世帯が得られる収入よりも多額となり、仮に働いて得た収入がある場合はその分はそのまま受給額を減額されるため、働くよりも遊んで暮らす方が良いという考えも生まれてくる。また、受給資格の認定の甘さから、働く意欲のない者や不正受給を意図する者まで受給資格を得ている事実もある。
その一方で、住宅などなまじ資産があるばかりに、申請資格がなく年金収入から資産税や健康保険税などの公租公課を差し引かれ生活困窮のため餓死するケースなど、制度の矛盾が大きな社会問題となっている
勤労意欲を削ぎ、雇用支援どころか不正受給者が増えるばかりでなく、支給した現金がギャンブルや禁止薬物の購入に使われたり、悪徳不動産業者により住宅扶助費限度額いっぱいに設定されたボロアパートの賃料に消えたり、制度を食い物にする裏社会に流れては制度自体が社会悪を醸成していると言わざるを得ない。これが、 「ベーシックインカム」 に代わったところで結果は同じであろう。
必要なサービスのみを提供するという、現金交付からサービス提供(現物支給)に切り替える全面的なシステム変更が必要だ。
生活保護制度改革 「現金支給から現物支給へ」
日本国憲法 第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び
増進に努めなければならない。
生活保護などという丸抱えの支援が本当に必要なのか?
憲法に明記された権利は、本人が扶養義務者の保護がなければ自立して生活を営む能力がなく、扶養義務者が存在しないか又は扶養能力を有さない場合、国が代わって保護又は扶助をすることで、健康で文化的な最低限度の生活を営めるよう支援する制度とする。この場合の扶養義務の範囲は原則第1親等とする。
従来の申請主義・世帯単位の原則を撤廃し、簡単だからといって現金支給で済まそうとせず、真に求められるのは保護なのか扶助なのか支援なのかをケースごとにしっかり見極めることが必要である。また、制度自体の名称も「保護」から「支援」に切り替え「国民生活支援法」と変更すべきである。
- ≪国民生活支援法(骨子)≫
- 制度上の原則
- 扶養義務者がおらず、又は扶養義務者に扶養能力がなく、自立して生活を営めない状態にある者を憲法25条の精神に則り保護、支援する。
- 生活困窮者にあっては「共通番号カード」で収入や保有資産などが正確に把握できる状態の中で、自助努力の限界を超え、1親等の扶養義務者の支援が得られない場合に一時的な救済によって自立を促す。
また、制度の適用を求める生活困窮者に被扶養者がある場合は、一定期間の経過観察の後、その能力に合わせて家族を分割し、被扶養者を収容保護するなど、扶養義務負担の軽減で実質的な生活困窮者の救済と自立を目指す。 - 保護は施設収容などのサービス提供(現物支給)を主とし、扶助は一時的な現金支給や宿泊施設の提供および食事提供などを行う。その他に困窮者の状況に合わせて法的支援を行う。一時扶助の期間は、状況が改善するまでの期間とする。(基本扶助期間は6ヶ月とし、上限は病状や産前産後休暇及び0歳児育児休暇を含め最大18ヶ月とする。)
- 現金支給に際し、全ての扶助の合計額は、老齢基礎年金支給額を超えることは出来ない。また、別途公的年金等の支給がある場合はその分を減額する。
- 保護、一時扶助、法的支援
- 保護=扶養義務者がおらず、又は扶養義務者に扶養能力がなく、自立して
生活を営めない状態にある場合。
(原則、養・介護施設や老人ホームなどの施設収容とする。)- 保護者のいない児童
- 高齢者で年金その他の収入が最低生活費に満たない場合
- 障害のリスクを負い年金その他の収入が最低生活費に満たない場合
- 要介護の高齢者又は障害者、重篤な疾病や心神喪失などの場合
- 一時的扶助
- 出産・病気療養などやむを得ない事由により一時的に生活困窮となった場合で、扶助の範囲は本人と配偶者がある場合は合わせて二人分の生活扶助と一時的住宅扶助のみとし、それ以外は別制度で対応する。
- 親族の死去に伴い海外から転入して母国である日本国籍を得、遺族年金その他の収入が一時的に最低生活費に満たない場合
- 失職などで、すぐに再就職などの目途も立たず、一時的に生活困窮となった場合
- 法的な支援制度
- 単親家庭支援として、別居扶養義務者(戸籍上の親、非嫡出子の場合は認知要)からの養育費代行徴収制度を設ける。
- 高齢者で土地建物などの不動産を所有する場合は、リバース・モーゲージなどの手法を用い、固定資産税を免除し、死後の不動産売却を前提に生活費の融資制度を創設する。
- 保護=扶養義務者がおらず、又は扶養義務者に扶養能力がなく、自立して
- 制度上の原則
健康で働ける世代への支援は、宿泊サービスと食事提供、及び雇用支援に限定する。体調を崩した人や心身症などにより一時的に生活困窮となった場合は、病気療養のアドバイスやカウンセラーなどを配置し、経過観察と就労斡旋などを行うこととする。
<社会保障を支える制度の問題、年金制度の問題、無理のない制度の構築>
<厚生・共済年金は憲法違反>
<専業主婦も被害者である>
<遺失原資>
<年金制度改革案>
<生活保護制度改革 「現金支給から現物支給へ」>
<医療保険制度の問題>
<医療保険制度改革案>
<雇用対策>
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