医療保険制度の問題
『年々医療費が増加し、医療保険負担が増大の一途を辿っている。特に、老人医療費の増大が保険収支を圧迫している。』と言うのが政府の説明であるが、実際は健康保険に対する医療機関の不正請求によるもの、無駄な個別病院毎の病理検査、医薬の重複・過剰支給、不必要な高額医療などによる医療費の増加が医療保険負担を増大させているのである。
また、医療機関だけでなく、行政と癒着した利権企業が健康保険制度を食いものにしている。薬価制度がそれである。薬は効果が同じでも新薬ほど高く、健康保険の負担を益々圧迫してきた。1980年代には薬価の公定価格が、医療機関の購入する価格を30%から40%上回るものが殆どであった。医療機関は競って新薬ばかりを使用するため、患者に薬を出すだけで薬価差分として年間一兆三千億円にもおよぶ利益が生じていたわけである。近年では10%以内に修正されたというがそれでも大きな負担であり、健康保険金の無駄使いである。
健康保険は無駄と不正に満ちている。また、昨今では医療の質の格差が顕著になり、医者の責任観念も薄れ、医療そのものに対する不信が大きくクローズアップされてきた。
これを契機に、医療サービスの質とコスト、医師の技術基準、患者への説明義務、倫理観、薬の審査基準、薬価、検査機関の公平性と情報開示義務等、全てを見直さなければならない。
同時に、医療コンサルタント(ホームドクター)制度の導入や検査機関の分離といった、総合診療・検査・施療・施薬の分離も視野に入れた総合的な医療のシステム改革が必要である。
《腐り果てた医療システム、いつまでも血税投入を続けるわけにはいかない》
そもそも健康保険制度とは、何のために設けられた制度なのか、国民生活における不確実性に対する不安を保障するためのものであり、このような医療機関の不正請求や、利権企業へ利益供与するためではないはずである。このように、本来の目的を外れた制度の運営は、政権を引き継いできた歴代政府の責任問題である。
現状の制度を維持した場合、2025年度の医療・介護費用は、2007年度の41兆円から85兆円に倍増する。そのうち公費負担額16兆円から36兆円に増加する。増え続ける医療・介護費用を押さえずに税負担で賄おうとすれば、国民負担率は上がる一方で、破綻は避けられない。
<社会保障を支える制度の問題、年金制度の問題、無理のない制度の構築>
<厚生・共済年金は憲法違反>
<専業主婦も被害者である>
<遺失原資>
<年金制度改革案>
<生活保護制度改革 「現金支給から現物支給へ」>
<医療保険制度の問題>
<医療保険制度改革案>
<雇用対策>
Page Top ▲