日本丸を救出せよ!首相公選制で日本再生

首相公選、公平性と約束への担保

首相公選制のデメリットである、政策より人気優先の投票行動による衆愚政治や独裁への危惧には、国会議員20名の推薦及び情報公開と国民監視制度、国民投票請求権で担保する。

年金は不公平是正が先決!

国民年金のみの加入者と比較した場合、厚生年金および共済年金等の制度内には明らかに不公平な部分が存在する。厚生年金3号被保険者の扱いにあっては、厚生年金加入者間でも不公平。厚生年金の事業主負担は、優秀な人材確保のために負担する企業努力として許されるものであるが、共済年金の税金負担部分は一部の国民への不当な利益供与(約2兆円超)にあたる。

医療制度は無駄削減から!

患者個人の共通データがないままの医療機関ごとの検査や施薬は、医療機関の過剰設備投資による医療コストを増大させ、重複施薬の危険性のリスクを増大させるなど、医療制度は多くの問題を孕んでいる。医療コンサルタント(ホームドクター)制度の導入や検査機関の分離といった、総合診療・検査・施療・施薬の分離も視野に入れた総合的な医療のシステム改革が必要である。

教育改革の手始めは大学改革

 教育改革の手始めは大学改革である。大学では、入る際の大学入試学力試験を全て廃止し、はっきりした目標と意欲さえあれば、学校推薦と面接、論文により本人の意思確認をして入学を許可し、面接や論文により本人の目標や意欲が確認できない場合に限り、入学の許可は出さないシステムとする。その上で、大学のレベルアップを図り、大学には誰でも入れるが、努力をしなければ進級も卒業もできないシステムとする。

 大学の教育内容は、技術習得や知識吸収だけでなく、大学院生や研究生との交流も持ち、個人の能力や目標に応じた研究テーマを決め、人文・社会科学分野における研究や創作、自然科学分野の基礎研究や応用研究、創造的な新技術研究等を個別指導する体制を作ることが必要である。専修校も法律家養成専門校や研究者養成専門校など多様な形態を可能にし、学生の適正や能力に応じて学校や学部の転編入を可能にすることが求められる。

 このように高等教育システムを変えることで、初等中等教育の内容もおのずと変わらざるを得なくなり、全体の教育内容が自然淘汰的に改善される。学習塾に通う必要もないし、ここにおける無駄な支出の削減は、生活コストの削減に大きく寄与することになる。そのうえ、殺伐とした教育環境が実りのあるものとなり、健全な家庭を取り戻すことになればこの上ない成功と言えよう。

 同時に考えなければならないことは、家庭における生活コストの中で子弟教育に関する費用負担の問題である。現在の日本は特別な技能で身を立てる場合を除き、すべてが学歴重視社会である。それに便乗した教育産業が台頭し、教育に金をかける風潮が高まり、子ども達は熾烈な競争に明け暮れる毎日を過ごしながら心が歪む者や大学は出たけれど背負いきれないほどの負債を背負い職にも就けず借金地獄で苦しむ例さえ見受けられる。これらは、少子高齢化が叫ばれる中、生活コストにおける教育費の高騰をそのまま放置してきたことによるものだ。

 これでは、親が多くの子どもを養える道理はない。現在は出産から就学前の子供たちの子育て支援の方法が問題視されている。しかし、今こそ出産から児童保育・義務教育と学童保育・高校・大学までの全ての子育てプロセスにおける生活コストの削減を考えるべき時期ではなかろうか?

2016.5月

高等教育は必要な時に自分の意思で

 さらに、高等教育は親の金でなく、教育を受けるもの自身の負担を原則とすることが必要である。人生五十年は今や昔のことである。高校や大学を卒業した時点で、一生の運命が決まってしまう時代はもうすぐ終りになる。人間の一生は八十年以上である。終身雇用制度が崩壊した現在、一生を一つの会社に捧げるなどということはあり得ない。また、雇用における年令制限もなくなってくる。歳を重ねるうちに人の価値観も変わり、社会も変わる。それに合わせていろいろなことを勉強していかなければならない。

 高等教育はその必要性が無ければ受ける必要もない。教育を受けるかどうか、受けるのならば、何時どんな目的で受けるのか、自分自身の判断で決めることである。そのためには、それに要する費用も自分で工面すれば良い。そうすることにより、高等教育に対する価値観も変わってくる。学校選択も真剣になり、対価を支払ってまで受ける教育が、いい加減なものであれば学生は集まらないため、必然的に学校の質も上がることになる。

 これらを可能にするための制度や環境整備が必要である。先ず第一に改善すべきは就職活動のあり方である。企業が優秀な人材を逸早く確保しようとするあまり、大学や学生がそれに合わせようと企業が求めるスキルアップに奔り、自由な高等教育を阻害していると言っても過言ではない。この様な企業の姿勢は決して優秀な人材の育成には繋がらず、企業にはもっと長い目で見る寛容さが求められる。

 第二は高等教育に対する一定の公的支援制度であり、次世代を担う若者への先行投資である。科学秘術などの分野を見ても、直接的な成果に繋がる応用技術だけを期待しても地道な基礎研究がなければ応用技術の芽さえ育たないことは自明の理である。と考えれば、従来より学生の負担とされていた部分のうち、大学の入学金や施設設備費、一般教養分野の履修費用(授業料)だけでも公費助成の対象とし、専門教育分野の履修費用(授業料)のみを学生負担とし、学費負担の軽減を図るべきではなかろうか?

 就学支援制度としては、進学希望者自身に対する公費無利子貸付で、利用者には返済金の所得控除を適用する。また、就労者が復学する場合の学費積立て金の所得控除や、在学期間中の社会保険費用の免除などの支援制度も整備しなければならない。 さらに、企業などにおける長期就学休暇制度、特異な才能を伸ばすための奨学資金制度を奨励し、制度利用の実態に合わせ法人税の減税措置を適用する。