教育制度改革(自己・アイデンティティの確立)
教育の基本を 自己の確立 に置き、個々の尊厳、社会的モラル、地球環境、共生社会のルールなどを学びながら、個性尊重の教育内容とすることである。そして、教育の選択肢を広げ、個々の興味や目標によって自由選択できるシステムとしたい。そのためには 二十一世紀に向け、平均学力による評価を廃し、特技や卓越した部分の開発を指導する自由奔放で個性を育むための教育改革が必要である。
日本および日本人が世界の中で埋没あるいは衰退することなくあり続けるためには、私たちの普遍的な存在意義を見出し、それを知り知らしめ、周りの人たちとの触れ合いを通して共存していくこと。即ち、『日本および日本人のアイデンティティを確立し、共生の道を探る。』 それも自らが先んじて行うことが求められる。
『日本および日本人のアイデンティティ』 を何れに求めるかと言えば、それは 『風土と伝統』 に他ならない。風土とは、その土地の気候・地味・地勢などのありさまだけでなく、文化の形成などに影響を及ぼす精神的な環境をも含み、伝統とは、昔からの信じ方、考え方、行い、価値観、規則、モラル、行為、式典およびその変遷なども含むものである。
これは単なる保守主義ではない。『風土を愛し、伝統に磨きをかけ、共生の道を探る。』 それは、その地球環境あるいは世界的価値観の変遷に適合しながら進化していくことでもある。したがって、日本および世界の中の日本のという認識が求められ、現在の日本と世界、その成り立ちを知ることから始めなければならない。それがわが国の教育の根幹になければならない。
次世代に引き継ぐ知恵
わが国は、先端技術や「ものづくり」に限らず、外来文化との融合、伝統技術とその伝承法、多種多様な食文化、日本人の精神性や美学、これら『日本人のアイデンティティー【identity】』は農林漁業をはじめとする全ての産業への取組姿勢や技術全般、雇用関係、流通システムなど産業構造の全体に及び、その独自性は世界標準になり得るものである。
以前、ある講演会で伊勢神宮の20年に一度の式年遷宮ついて聴いた話だが、「一般的に、神殿の造営は時の権力者の手によって、強大な権力と文明や文化発展の証として行われ、時の経過と共にその栄華は人々の心から忘れられてしまうものである。しかし、伊勢神宮の1300年に及ぶ式年遷宮では、それがその都度建て替えられるのである。掘立柱に萱の屋根が特徴の神宮の建築様式は、唯一、神明造と呼ばれ、弥生時代にまで遡る高床式穀倉の姿を今に伝えている。伊勢神宮社殿は、まさに日本人の精神性と技術力の結集である。いかに素晴らしい文化や技術といえども、そのまま維持するだけでは世代が代われば失われてしまうものである。それが式年遷宮により、精神性と技術力は再度結集され磨かれていく。この発展的継続こそ、世界の何処にもない日本人の発想なのである。」 と、これは伝統技術とその伝承法や日本人の精神性や美学について雄弁に物語るものであろう。
<自己の確立>
<日本および日本人のアイデンティティ>
<教育制度改革(自己・アイデンティティの確立)>
<教育改革の手始めは大学改革>
<義務教育(小・中学校)+高等学校>
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