地方自治(地方分権:地方のことは地方に任せろ!)
国の行政改革で一切の依託事務が廃止され、国と地方の役割分担が決まれば地方政府は国の行政の首尾範囲以外を補完する政策を自主運営して行かなければならない。高齢化社会を迎え、医療費の負担増、痴呆や寝たきり老人の介護など、社会福祉はその内容の質を問われている。施設を建設するだけの投げやり行政は決して許されない。国の目が届かない部分を『痒いところに手の届く』ものとするための福祉行政は地方政府でなければ出来ないことである。また、最近の少年事件の頻発ぶりを見ても、子供達の心身は、求めても得られない不安と大人社会に対する徹底的な不信に喘ぎ、助けを求めているとしか思えない。ここでも、国の施策と同時に、きめ細かな地方政府の対応が求められている。
国の役割が『内外の安全保障政策、国土保全および基盤整備、産業経済の健全化、国民の権利の保障』とすれば、地方は、『生活環境整備、治安維持、義務教育、社会福祉』など、より生活に密着した役割を担い、相互補完しながら国民生活の安全・安心を担保するものでなければならない。
地方分権を確実なものとするため、地方行政単位間で自主的に協議を行い、政治・経済・文化に有機的なつながりを持つ八ないし十の地方ブロックを構成し、早急に廃県置州を実施し、独自の自治政府を作る必要が有る。そして、地方政府の役割や行政サービスの範囲を明確にし、それを可能にする財政規模を算定して地方政府独自の徴税方式を決め、独立採算で実現可能な政策指針を設けなければならない。しかし、住民負担率を同等に定めた場合、各地方単位での税収にはバラつきがあるため、地方間格差解消のためには、国による調整機能が必要になる。従来のように地方交付税や補助金が国から地方へ使途を定めて供給されるのではなく、使途制限なしの一括交付金として供給されねばならない。但し、国は国と地方間で公務員平均給与に違いがあり、地方が国を上回る場合は、一括交付金からその上回る額に相当する分を減額して交付することが出来るものとする。
私たち(国民)が声を上げなければ何も変わらない
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- 地方政府および市町村は国の役割以外の生活環境整備、治安維持、義務教育、社会福祉の増進に努めなければならない。
- 地方自治は、地方政府および市町村とその住民の自立と責任においてこれを行うことを原則とする。
- 地方政府の組織及び運営に関する事項は前項の原則により、法律でこれを定める。
- 地方議会の設置および地方議会議員、地方政府、市町村の長の直接選挙
- 地方政府および市町村には法律の定めるところにより議会を設置しなければならない。
- 地方議会議員、地方政府、市町村の長はその地方政府および市町村の住民が直接これを選挙する。
- 地方政府および市町村はその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、国の定める法に反しない範囲内において条例を定めることができる。
- 地方税の設定および税率は、各地方政府の行政サービス内容に応じて地方政府が決定する。
- 住民による公開情報の請求権、意見提出及び公聴会への参加、行政監察権、住民投票による条例の改正は国政に準ずる。
- 地方政府の行政サービスが適正に行われるように、行財政のバランスを考慮し、十年毎に地方行政単位の規模の見直しを行う。
- 国は地方税収の偏重を是正して国民が公平な行政サービスを受けられるようにするため、国庫から地方財政拠出金(地方交付金)として拠出規模を定め、適正配分しなければならない。
- 国が特定の地方政府および市町村にのみ適用する特別法を制定する場合は、事前に法律の定めるところにより、その地方政府および市町村の住民の投票においてその過半数の同位を得なければならない。
- 地方政府および市町村は国の役割以外の生活環境整備、治安維持、義務教育、社会福祉の増進に努めなければならない。