《メディア改革》:情報操作をくい止めろ!
日本のあり方を根本的に変えるには、政治制度や官僚機構は勿論だが、その前に、社会に大きな影響力をもたらす 「教育」 と 「マスメディア」 のあり方を変えなければならない。
米軍普天間基地移設問題、尖閣諸島沖違法操業中国漁船による体当り衝突事件、東日本大震災、それに引き続く福島第一原発事故、TPP参加問題、消費増税問題、無能な民主政権にしては広げた風呂敷が大きすぎる。
これらの問題について、マスコミの報道をみると、米軍普天間基地移設問題では、鳩山首相による辺野古移設の見直しが沖縄県に過剰な期待を持たせた挙句座礁して、新たな日米合意を結び元の案に逆戻りさせてしまった。その結果、民主党政府は沖縄県民の心情を無用に傷つけ、打開しがたい対立の構図を作ってしまった。
昨年6月のオバマ演説では、アメリカの世界戦略が変更された。オフショア・バランシングである。実際に米軍再編でグアムやオーストラリアの基地を使用する計画も進んでいる。また、米上院の国防委員は辺野古移設案より嘉手納統合案を有力視している。これらの事実も併せて考えれば、わが国の国防戦略、日米同盟のあり方も当然に見直すことが必要になるはずだ。しかし、これらについて日本側の主体性は全く見えて来ない。マスコミは、総合的な視点に立った報道ではなく、政府と沖縄の対立の構図だけを強調し、国民に不条理感だけを植えつけている。
中国漁船による体当り衝突事件では、国家の主権にかかわる問題なのに、弱腰で隠ぺい体質の政府の対応を問題とする視点もなく、坦々と報道するのみであった。
東日本大震災では、生々しい映像や政府の初動の遅れによる被災地の惨状は報道されても、一向に改善のスピードが伴わない。このような非常時に有っては、報道機関と言えども報道だけでなく、支援側に回り、情報網の切断を補う努力や政府や自治体との情報共有に努めるべきであろう。
福島第一原発事故では、政府の情報の隠ぺいを暴く努力がいっこうに見られなかった。原子炉の状態、放射能拡散の事実、御用学者以外の専門家は事故発生当時から指摘している。原子力安全保安院の中村審議官は事故直後にメルトダウンの可能性を発表して更迭された。マスコミはこの事実を把握しながらも報道管制に協力した。NHKに至っては、アナウンサーがニュースを一旦読み上げながらも、途中で別な情報にすり替えてしまった。政府の事故収束宣言後も収束には程遠い状態であること、原発事故現場では、何重もの労働搾取の事実、作業員の安全や被ばく管理の不十分さなど一部の報道番組等では紹介されても、その他の局では事実関係の裏付け調査も行われていない。
放射能汚染関連では、事故発生後も暫くはあったSPEEDIの閲覧ボタンが気象庁のホームページから削除されたり、政府が放射能の暫定基準を採用した際、国際基準を大幅に上回る事実や、原発推進団体でつくる国際機関のIAEAやICRPなどの基準を紹介するばかりで、より厳しい被曝限度を主張する欧州放射線リスク委員会(ECRR)や核戦争防止国際医師会議(IPPNW)、フランス放射線専門家グループ(CRIIRAD)など、いろいろな情報がネットに流れ多くの人々の知るところとなるまで、その存在すら報道しなかった。
NHKスペシャルはもっと詳しい情報をと願う人々にたいする「ガス抜き」とNHKという組織の「自己保身」の機能を併せ持つ自己欺瞞番組のように見えるのは考え過ぎだろうか?
消費増税問題では、公務員給与平均(632.8万円)が民間給与所得者平均(412万円)と比較して約1.5倍にもなっている。また、年金でも国民年金、厚生年金、共済年金間には大きな不公平があり、3号被保険者問題なども存在する。これらの不公平是正しないままの増税などあり得ないことである。しかし、マスコミのスタンスは消費税問題は避けて通れない問題として、肯定側に回っている。しかも、ヨーロッパなどで行われている生活必須項目の消費税が低く抑えられている現実を声高に報道することもない。
このようなマスコミの偏向報道は、新聞やテレビでしか情報をとれない多くの国民を惑わす 『プロパガンダ』 だと言って過言ではない。NHKから公共放送の看板をはぎ取り、『国民の信頼に足る報道チャンネル』 を作らなければならない。