日本丸を救出せよ!首相公選制で日本再生

首相公選、公平性と約束への担保

首相公選制のデメリットである、政策より人気優先の投票行動による衆愚政治や独裁への危惧には、国会議員20名の推薦及び情報公開と国民監視制度、国民投票請求権で担保する。

年金は不公平是正が先決!

国民年金のみの加入者と比較した場合、厚生年金および共済年金等の制度内には明らかに不公平な部分が存在する。厚生年金3号被保険者の扱いにあっては、厚生年金加入者間でも不公平。厚生年金の事業主負担は、優秀な人材確保のために負担する企業努力として許されるものであるが、共済年金の税金負担部分は一部の国民への不当な利益供与(約2兆円超)にあたる。

医療制度は無駄削減から!

患者個人の共通データがないままの医療機関ごとの検査や施薬は、医療機関の過剰設備投資による医療コストを増大させ、重複施薬の危険性のリスクを増大させるなど、医療制度は多くの問題を孕んでいる。医療コンサルタント(ホームドクター)制度の導入や検査機関の分離といった、総合診療・検査・施療・施薬の分離も視野に入れた総合的な医療のシステム改革が必要である。

原発事故被災者賠償

 被災者の賠償は何通りかのパターンを考えなければならない。放射能汚染された住宅や事業所などに、「一定の時間経過後に戻れる状態なのか? またはその時間を容認できるのか? あるいは完全に戻る場所が失われたのか?」です。その何れかが決まらなければ賠償交渉は始まらない。その間は生活支援や休業支援が必要となる訳である。

 また、被災者の個別賠償の前に、生活や事業の拠点となる土地建物、および生産緑地など、健全性確保の問題がある。放射能汚染のホットスポットや食品残留放射能の基準値超えなど、生活や生産活動の支障になる地域の除染により、生活圏にあっては一般市民の安全・安心を担保し、農林漁業その他の産業などの生産活動が、消費者に安心をもって受け入れられるように環境整備を行わなければならない。

 そのための効果的な除染方法の確立と費用負担が必要である。その上で、新たな生活や生産拠点の確保のために、汚染地域の土地・建物の買い取りなど、代替資産の取得に見合った全面的な賠償・支援が必要となる。

 しかし、文科省の原子力損害賠償紛争審査会がまとめた賠償指針は、放射能の汚染度合いに応じ、将来の土地利用及び賠償額を確定すべく被災地を3段階に分けて線引きしたわけだが、年間積算放射線量50mSv超の帰還困難区域は勿論だが、20mSv超〜50mSv以内の居住制限区域、5mSv超〜20mSv以内避難指示解除準備区域にあっても、除染によって何年後に居住環境が回復するか明確な答えはなく、除染そのものの効果すら分からない状態である。


加害者責任の所在と賠償主体の責任能力、公平性の担保

 現政府の考え方は違うようだが、原発事故の加害者責任の所在は、第一議的には原子力政策を推し進めてきた政府、次は実際に原子力施設を所有し実利を得ていた電力会社である。しかし、表向きには政治家や官僚は原子力安全監理側としての立場にあるため、政府は責任は第一議的に東電にあるということになる。しかし、政府側はずさんな監理を行っていたわけで、むしろ刑事責任が追及されるべきである。

 原発事故の賠償には、賠償額に相当する資産の確保が必要である。政府の言うように第一議的責任が東電にあるとすれば、2010 年 4 月に米国で発生したメキシコ湾原油流出事故の湾岸賠償請求処理基金(GCCF)と同様の基金を創設し、政府試算の賠償額の 2 倍にあたる 8 兆円相当の東電資産を繰り入れ、東電は会社更生法の申請をする。それが企業の責任の取り方である。

 ≪東京電力、とるべき道は破綻処理≫

 そして、この基金は政府や東電の手を離れ第三者機関によって管理され、資産は発電関連施設、送電施設、地域配電網、その他不動産などに区分けされ、第三者への売却で賠償資金に充当され、迅速かつ公平な賠償が行われるべきである。こうすることで、電力会社の経営が賠償による支出で圧迫され、ひいては電力料金の値上げや公的資金の投入で国民に負担を強いることもなくなる。

 また、事業者任せの賠償では、カネミ油症事件の被害者賠償のように、企業の支払い能力の有無で、賠償が完全に履行されずに放置される恐れさえないとは言えない。そのような事態にならないようなしっかりした仕組みづくりが必要である。


国が定める帰還困難・居住制限・避難指示解除準備の3区域と賠償基準

 精神的苦痛に配慮し、生活再建資金に充てる賠償金(10万円/月)

《帰還困難区域》
 年間積算放射線量50ミリシーベルト超
  一括賠償金として(5年分=60ヶ月)1人600万円
  住宅や不動産は事故前の価格で全額賠償する。

《居住制限区域》
 年間積算放射線量20ミリシーベルト超、50ミリシーベルト以内
  一括賠償金として(2年分=24ヶ月)1人240万円
  住宅などは東電と所有者が価値の減少額を和解交渉で決める。

《避難指示解除準備区域》
 年間積算放射線量 5ミリシーベルト超、20ミリシーベルト以内
  月払い賠償金として1人10万円
  住宅などは東電と所有者が価値の減少額を和解交渉で決める。

 帰還困難区域とその他の区域では、補償内容について大きな隔たりがありすぎる。何時帰還出来るかも分からないのに、賠償内容が著しく低減された内容である。平成23年7月20日文部科学省より出された以下の指針によると、児童の放射線被ばく量を『年間1mSv以下』を目指すとあるが、この数値に環境放射能の数値を加えた年間 2.5mSvとした場合、指定の3区域の最も低い避難指示解除準備区域内でも倍以上の放射線被ばくを受けることになる。指定の3区域はいずれも子供の住める区域とはなり得ない。

 参照※ 「学校において『年間1ミリシーベルト以下』を目指す」ことについて


区域の指定替えと賠償基準の見直しが必要

 現在国が主導する除染の効果は、全く期待できず、作業者の被爆や水路や河川により下流域に汚染を拡散させるだけである。そのような危険性を考慮すれば、除染に無駄な費用を掛けず、賠償と新たな土地利用を模索すべきである。

 国が指定する3区域の外側の年間 2.5mSv〜5mSvの地域が、果たしてどの程度の範囲なるのかを示すべきである。除染はその地域及び上流域の山林・原野、農地等に限って行い、その区域を 《避難指示解除準備区域》 とし、国が指定する3区域は、まとめて 《居住及び生産活動制限区域》 に指定し、当分の間は使い物にならないものとして、その中の不動産は全て国が買い上げるべきである。
 そうすれば、一定年限以内の避難指示解除により居住者の帰還も果たせよう。目標年限を示せないような区域指定は無意味であり、被災者を混乱させるばかりである。

 賠償には、事故前の価値基準による土地家屋の買い取りと、避難期間の休業補償、生活保障と慰謝料、定期健康診断並びに医療支援、事業者への事業損失補償及び社会保険事業主負担分の免除制度、新生活並びに移転先事業準備支援等が必要である。通常の損害賠償の概念からは大きく後退しており、生活の拠点を奪われた被災者の心情を全く無視した内容だ。