基本的人権と協調社会の秩序

1 国民は全ての基本的人権を享有できる。この憲法が保障する基本的人権は社会生活上におけるの義務および責任との並立の上に成立するものであり、国民は健全なる自己の確立(自己認識、自己管理、自己責任)に努めなければならない。
2 基本的人権
全ての国民は法の下に平等であり、人種、信条、年令、性別、婚姻の有無、社会および経済的地位により、政治的、経済的、社会的関係および就学・就業機会等において差別されない。
栄典の授与はいかなる特典も伴わない。栄典は現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代限りその効力を有する。
個人の尊厳
生命、自由、幸福の追求の尊重
婚姻・離婚の自由及び家族生活における個人の尊厳
配偶者の選択は双方の合意にのみ基づき成立し、配偶者は同等の権利を有することを基本として相互の協力により婚姻関係が維持されなければならない。また、性別により如何なる役割分担も互いに強いたり免れたりしてはならない。
配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、婚姻並びに離婚及び家族に関する事項に関し、法律は個人の尊厳の本質及び平等に立脚して制定されなければならない。
何人も婚姻並びに離婚よる不利益や差別を受けない。
児童の健全なる成長を希求
日本国の次世代を担うすべての児童の健全なる成長を希求する。児童の人権は保護者と謂えども決してこれを侵してはならない。国民は等しく児童の健全なる育成に努めなければならない。
婚姻の事実と子の出生とは無関係にして、出生時の状況等により何等の差別も受けない。
人格権(プラーバシーの保護)
何人も、名誉、信用、その他人格を不当に侵害されない権利を保障される。
何人も、私事、家族に対し、不当に干渉されない権利を有する。
何人も、通信の秘密を侵害されない権利を有する。
何人も、個人情報を承諾なしに漏えいされない権利を有する。
生存権・環境権における平等かつ公平の原則と国の社会的使命
何人も、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は全ての生活および環境面において、平等かつ公平の原則に基づき、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上と増進および環境保全に努めなければならない。
何人も、良好な環境を享有する権利を有し、互いにその保全に努める義務を有する。国は、良好な環境の保全に努めなければならない。
○ 格差の是正としての生活保護、社会福祉としての老人・障害者・児童・単
  親庭福祉等については、資産保有の有無に拘わらず客観的状況に加え実質
  的な困窮状況を把握し、効果や状況改善の有無を検証し、公平性が保たれ
  なければならない。
○ 不確実性に対する保険機能としての医療保険・労災保険・介護保険・雇用
  保険のうち医療保険・労災保険・介護保険については、平等原則に基づき
  、雇用保険にあっては、国が管掌する一定範囲を定め、それを超える部分
  については自己責任とし、公平性が保たれなければならない。
○ 老後の備えとしての年金保険は、国が管掌する一定範囲を定め、それを超
  える部分については自己責任とし、公平性が保たれなければならない。
信教の自由、
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
何人も、宗教上の行為、祝典、儀式または行事に参加することを強要されない。
国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない。
いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益及び維持などの用に供出してはならない。
(以下、現行法に準ずる)
学問の自由と教育を受ける権利
思想および良心の自由、集会、結社の自由、表現の自由
居住・移転、職業選択の自由、外国移住および国籍離脱の自由
勤労の権利・義務と労働条件及び勤労者の団結権、隷属的苦役の禁止
財産権、請願権、国および公共団体の賠償責任、納税の義務、
法定手続きの保障、裁判を受ける権利、逮捕の要件、
抑留・拘禁の要件及び不法拘禁に対する保障、住居の不可侵、
拷問及び残虐刑の禁止、刑事被告の権利、自己に不利益な供述及び自白の証拠能力、刑事補償、一事不再理
3 権利の制限
人権侵害行為者、生活又は生命に対し脅威を及す者への権利制限
(家庭内暴力、ストーカー、ハラスメント行為、脅迫、虚偽事実の流布、虚偽告訴等への法的措置を容認)
テロや無差別殺傷など国家安全保障上の事態における権利制限
(脅威解消のための強行措置の容認)
公共の福祉に資するための権利の制限
(公共の福祉、環境保全、防災、激甚災害復興推進等の理由による権利の制限)
4 犯罪およびその結果責任原則
公務員によるその業務上の犯罪は、国民の主権を侵す犯罪と規定する。
地位を利用した犯罪は、不特定多数の善良なる信託者に重大な被害をもたらし、自由社会の根底を揺るがす重大な犯罪行為と規定する。
他に害を為し又は他の権利を侵す全ての行為を、自由社会の根底を揺るがす犯罪行為と規定する。
情報通信等にあって公序良俗に反し、又は虚偽および他に害を及ぼし、他の権利を侵す行為を、犯罪行為と規定する。
全ての犯罪行為にあって、加害者は知識、意思、又は動機の有無および犯罪事実の軽重に関わらず、為した行為によりひき起された厳然たる結果について相当の責任を負わなければならない。ただし、正当の理由により自己を防衛するための止むを得ない行為は、法によりその責任を軽減される。
犯罪行為者に、心神喪失又は心神耗弱などの理由で責任能力を問えない場合、再犯の恐れがないことが確認されるまでの間は、社会から隔離することができる。
5 災害、犯罪等の脅威からの保護と被害者の救済
報道や出版において、被害者の精神的安定および人格権に対する配慮を欠いてはならない。
全ての犯罪被害者は裁判記録請求権を有する。
犯罪の加害者は被害者に対し相当の賠償責任を負う。
国は災害など、加害者賠償によって保障し得ない場合の確立された国家支援制度を設けなければならない。
6 定住外国人および日本在住外国人の地位
参政権を除き、日本国民と同等の基本的人権を保障される。
日本国籍の有無に関わらず差別や制限を受けない権利を有する。
日本国民との婚姻により、その配偶者である外国人は本国籍および日本国籍の一方を選択できる。
親の日本国籍の有無に関わらず、日本国内において出生した子は、親の国籍と同時に日本国籍を取得でき、その子が十八歳を迎えた時にその一方を選択できる。
正当な理由により五年を越えて在住する外国人は、法に定める要件に従い日本国への帰化を選択できる。
7 遡求処罰の禁止
何人も行為時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については刑事上の責任を問われない。但し、戦争犯罪及び国の存亡について脅威を及す行為についてはこの限りではない。

2012.5月

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