利権との結びつき
制度改革において一番の問題が、利権集団を代表して、無理を押し通そうとする族議員の存在である。どのような大胆な改革案を進めても、利権を犯されまいとそこに立ちはだかり、元の黙阿弥にしようとする圧力が必ず働く。自分達の不利益に繋がる改革を許せない人達が、恥も外聞もなく騒ぎ立て、議案の提出さえ許さない。利権集団の寄り合い所帯の現与党ではそれぞれの言い分を認めざるを得なく、それを認めると言うことは結局何も出来ないことである。
国民に『国家の財政危機』『年金の破綻』『健康保険の赤字』を訴え改革の必要性を唱え始めたのは官僚やそれに操られた自民党政府なのである。国民の妥協による解決のシナリオを書いたつもりだろうが、そうは問屋が下ろさない。先ず、貴方達に人身御供になってもらおう。ここまで良いようにあしらわれて黙って屈するほど国民は従順ではない。また、日本人の誇りを傷つけられ、それを黙って許せる訳もない。必ずその時は訪れる。首を洗って待っていることだ。
行財政改革において、削減率を決めて各部門に一律的に削減を求めても無意味である。最も必要なことは明確な価値基準を設けて、すべての案件をそのふるいに掛けることである。その場合、価値基準作りやふるいを掛ける作業は、公平な第三者機関で行われなければならない。首相の下に民間人で構成する行政改革推進委員会を設け、官僚や族議員を排除して公正に改革を執行できる機関としなければならない。また、改革における負の圧力は、それが閣僚からのものであろうと国民の前に明らかにし、世論に訴え排除できる権限を持たなければならない。