日本丸を救出せよ!首相公選制で日本再生

首相公選、公平性と約束への担保

首相公選制のデメリットである、政策より人気優先の投票行動による衆愚政治や独裁への危惧には、国会議員20名の推薦及び情報公開と国民監視制度、国民投票請求権で担保する。

年金は不公平是正が先決!

国民年金のみの加入者と比較した場合、厚生年金および共済年金等の制度内には明らかに不公平な部分が存在する。厚生年金3号被保険者の扱いにあっては、厚生年金加入者間でも不公平。厚生年金の事業主負担は、優秀な人材確保のために負担する企業努力として許されるものであるが、共済年金の税金負担部分は一部の国民への不当な利益供与(約2兆円超)にあたる。

医療制度は無駄削減から!

患者個人の共通データがないままの医療機関ごとの検査や施薬は、医療機関の過剰設備投資による医療コストを増大させ、重複施薬の危険性のリスクを増大させるなど、医療制度は多くの問題を孕んでいる。医療コンサルタント(ホームドクター)制度の導入や検査機関の分離といった、総合診療・検査・施療・施薬の分離も視野に入れた総合的な医療のシステム改革が必要である。

「知る権利」と「知らせる義務」(その1)

 民主主義社会において、私たち一般国民は、少なくとも政治に対し「Yes」または「No」を表明する権利を行使し、政治的な決定やその方向性に対し一定の影響力を与える力を有している。しかし、政治に対し「Yes」または「No」を表明するには、政治的な決定やその方向性によって私たち一般国民にどのような影響が生ずるのか、その影響は「良きにつけ悪しきにつけ」、様々な視点で分析され、それらをつぶさに知ることができなければ、判断のしようもない。

メディアは何のために「知る権利」を主張するのか?

 ドイツ連邦基本法(1949年制定のドイツ連邦共和国憲法)5条1項では、「各人は、言語、文書、図画によって自己の意見を自由に表明し流布する権利、及び一般に近づくことのできる情報源から妨げられることなく知る権利を有する。出版の自由ならびに放送及びフィルムによる報道の自由は保障される。検閲は行われない」 国際人権規約の、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約、B規約)第19条 2項には「すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。」

 日本における「知る権利」は、ドイツ連邦基本法や国際人権規約のように憲法に明記されてはおらず、日本国憲法第21条第1項の『言論、出版その他一切の表現の自由』が、「報道の自由」「取材の自由」の根拠として主張されるようになり、「公衆がその必要とする情報を、妨げられることなく自由に入手できる権利」という概念に発展し、一部の自治体などでオンブズマン制度が認知され始めた。
 しかし、報道事業者が主張する「知る権利」は「報道の自由」のための「取材の自由」に過ぎず、読者や視聴者にとっては、決して公正でもなく公平でもない。

メディアは「知らせる義務」を果たしているか?

恣意的な情報操作をしていないか?

 福島第一原発事故関連では、事故直後2011年3月12日正午のNHKニュースで、国民に知らせるべき重要情報を読み上げ、繰り返しの場面で、スタッフが「今の原稿、使っちゃいけないんだって」と担当アナの再読を制止する場面があった。これは「公共放送であるNHKは誤った情報を流すことはない。」と信じ視聴料を支払っている国民を裏切る行為だ。
 原子力保安院は同日夕刻の会見で、「炉心溶融(メルトダウン)の可能性が高い」と発言した技術担当審議官を交代させ、以降、燃料棒の部分損傷は認めたが、メルトダウンに否定的な見解を示し、真実を隠蔽し続けた。新聞やテレビの報道もその後の保安院の見解に疑問を持つこともなかった。不自然な技術担当審議官の交代劇についても一切触れず終いである。
 その後、「1号機は津波到達後比較的早い段階において炉心溶融が起き」(5月15日)、「2号機は地震から約101時間後の3月15日午後8時ごろ、3号機では約60時間後の同14日午前3時ごろに、炉心溶融(メルトダウン)の状態になっている」(5月24日)と東電から発表があり、技術担当審議官の推測が正しかったことが証明された。
 福島第一原発事故直後から放射能汚染の状況をシミュレートするSPEEDIは稼働していた。しかし、その情報 の公表が政府首脳によって見送られ、公表されていれば絶対に避難先や避難ルートに選ばれるはずのない、放射性物質の拡散地域に多くの人々が取り残されてしまった。これらは海外のメディアがネット上に公開し、大きな反響を呼んだが、政府の公式発表は一か月半後の4月25日だった。

 また、税と社会保障の問題では、国民年金の政府負担分を三分の一から二分の一に増やし、医療保険の負担増など増え続ける社会保障費に対応し、「持続可能な社会保障制度とするためには安定財源として消費税を振り向け、最終税率を10%にするため段階的な増税が必要。」と民主・自民・公明の三党合意の下、消費税法案が成立してしまった。
 では本当に増税しか道はなかったのだろうか? 共済年金の二階建部分である所得比例年金は、厚生年金の制度に合わせて、事業主負担相当分は税金で賄われている。(共済年金に約2兆円超の税負担)これは国民年金にしか加入していない国民と比べれば、公平性を欠くことになることを政府やメディアは国民に伝えただろうか?
 また、国及び地方公務員給与の平均は、そのいずれも民間給与所得平均の1.5倍相当となっており、公務員給与の三割削減は急務である。財政破綻の危機にある現状で、国民の税金で養われる公僕の給与がそのような高水準にあって公平性が保たれていると言えるだろうか? 年金の税負担分2兆円と給与削減の9兆円(地方公務員分は地方交付税から削減)とで、約11兆円の財源を捻出できるはずだ。政府やメディアはその事実を伝えていない。

 TPP加入問題でも、日本国内のみならずアメリカやその他の加入交渉国内にも反対意見があること、TPPは貿易だけでなくあらゆる経済活動に関連し、その恩恵を受けることができるのは国や国民ではなく、投資家や海外との取引で利を得ようとする一部の企業に限られ、無秩序な企業活動により、貧富の格差が一層大きくなることを、政府やメディアは国民に伝えただろうか?
 TPP交渉参加の前提として、アメリカから軽自動車税の増税を迫られていた事実を政府やメディアは国民に伝えただろうか? ISD条項の問題点やNAFTAでのメキシコやカナダの敗訴例、ラチェット条項、アメリカにはエクソンフロリオ条項があって自国の権益を守るシステムがあることを、政府やメディアは国民に伝えただろうか?

 民主党政権の失敗により、2012年12月衆院解散総選挙となったおり、メディアは民主党の失敗を強調したが、自民の憲法改正案や集団的自衛権の行使容認、日本版NSCとセットになる特定秘密保護法案について詳細に報道しただろうか?
 アベノミクスの金融緩和や景気対策に重点を置き、震災復興や原発・エネルギー対策、行政改革による財政再建、社会保障政策等が置き去りにされる可能性について報道しただろうか?
 世界中いずれの国においても、行政改革に手を付けずに財政再建を成功させた例がないことをメディアは報道しただろうか? 民放の某解説員がいみじくも言った。「自民党は野党勢力だったため、憲法改正案や集団的自衛権の行使容認、日本版NSCとセットになる特定秘密保護法案等を公約に入れてはいたが、まさかこれ程素早くやるとは思わなかったので、真剣には考えなかった。」これがメディアの実態だ。公正かつ公平に報道する義務など、眼中にはないようだ。

2014.1月

メディア改革
ブログより<「知る権利」と「知らせる義務」(その1)>
ブログより<「知る権利」と「知らせる義務」(その2)
報道の在り方『公共放送はNPOで』

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